市民ランナー目線で、迷いを一気に解消します
「ジョグ用はどれ?」「テンポ走にプレートは必要?」「サイズは普段の26.5cmで良い?」-市民ランナーの悩みは尽きません。もちろん私もその一人です。この記事ではASICSの4モデル(ノヴァブラスト5/ソニックブラスト/マジックスピード4/ターサーRP3)を、初心者〜中級者の現実的なペース帯(6:00〜4:30/km)での筆者の実体験に基づいて整理しました。用途別の最適解とサイズ選びの勘どころを具体的に示します。
この記事を読んでわかること
- 用途別マッチング
ジョグ・テンポ走・10km〜フルで、どのモデルを使用しているかを整理しています。迷いを減らし、練習効率を上げられます。 - サイズ選びのコツ
つま先余り5〜10mm、夕方試着、ソックス厚など“ハズさない”基本を確認できます。 - リアルな走行感
6:00〜4:30/kmの体感で、反発・安定・接地感を言語化。購入後のイメージが湧きます。 - 耐久性とコスパ
摩耗の出方・寿命の目安・セールの狙い目を整理。長く付き合える一足を選べます。
走力の比較参考までに自己紹介です。
私は1976年生まれ(2025年で49歳)、ラン歴は2019年から始めて6年(新型コロナの期間は休止、陸上未経験)フルマラソン完走は5回、自己ベストは3時間24分04秒です。
普段は、週5で働いている会社員で普通のおじさんです。
ランニング習慣は週3日(平日1日、週末2日)平日は10km、週末2日でシーズン中は40km以上、シーズンオフは30km以上のランニングを行っています。祝祭日は、走ったり走らなかったりです。
いたって普通の市民ランナーですので、みなさんと同じ感覚でシューズを選んで使用していると思います。
結論:こう使い分けてます
- ジョグの気持ちよさ最優先 → ノヴァブラスト5:高いクッション性で“疲れにくく長く”走りやすい。ロング走の翌日の負荷軽減や日々のベース作りに最適。
- テンポ走〜ハーフの時短練&準レース → マジックスピード4:カーボン系プレート×FF TURBOで推進力を発揮。40mm超級の厚めスタックで脚も守る。タイムを意識した練習やレースに使用しています。
- 安定性を確保しつつ距離を踏む → ソニックブラスト:練習を積んできて、レースでサブ4狙いのロング走に向いていると思います。 私は、ロング走でタイムを意識し、疲労を残したくない日の練習で使用しています。
- 軽快なスピード練や脚つくり → ターサーRP3:自分の足で蹴る感覚を養うために使用。長い距離が走れるような脚作りが進んだら、もう一段階脚力アップを狙って、短い距離(私は10km)で使用しています。
使用感と実測値
| モデル | タイプ/用途感 | 使用感 | 26.5cm重さ実測値 |
| ノヴァブラスト5 | デイリートレーナー・リカバリーラン | 脚にやさしい万能ジョグ靴。履き心地はとても柔らかく、足への負担を軽減してくれます。 | ![]() |
| マジックスピード4 | テンポ〜準レース | 40mm超でもスピードを意識した練習に最適。履いた感じは見た目の厚底の割には堅い印象。前作のマジックスピード3よりはクッション性を感じる。 | ![]() |
| ソニックブラスト(SONICBLAST) | テンポ〜日常の軽量反発系 | 「スピード練×毎日も使える」ポジション。ノヴァブラスト5とマジックスピード4の間くらいの柔らかさ。20km走ったときの足の疲労はマジックスピード4より残らない。 | ![]() |
| ターサーRP3 | 脚つくり | 10km前後やポイント練に好相性。衝撃吸収は控えめのため、走り始めの方は、いきなりの長距離走は要注意。 | ![]() |
フィット感とサイズ選び(26.5cmを基準に考えています)
- 基本の考え方:つま先余り5〜10mmを目安としています。ランニング時に使うソックス厚で。ASICS公式のサイズガイドや換算表で、足のサイズ・足幅も確認してから試着へ。
- モデルの差
- ノヴァブラスト5:全体的に柔らかく包んでくれる感じ。普段サイズスタートでOK。
- マジックスピード4:レース寄りのホールド感。ソニックブラストに比べると少し固めな感じ。踵のホールド感はソニックブラストとほぼ差は感じない。
- ソニックブラスト:マジックスピード4に比べると少し柔らかい。踵のホールド感はマジックスピード4とほぼ差は感じない。
- ターサーRP3:しっかりタイトにホールドしてくれる感じ。何と言ってもしっかり地面を感じられる。
- ノヴァブラスト5:全体的に柔らかく包んでくれる感じ。普段サイズスタートでOK。
実際の走行した感じ(6:00 → 4:30/kmでの体感)
6:00–5:30/km(ジョグ)
- ノヴァブラスト5:接地感のクッション性が非常に柔らかく、距離を伸ばしても足の疲れを感じにくい。このペースでジョグ目的で走ると楽しく走れる感じ。
- ソニックブラスト:ノヴァブラストよりはクッション性を感じない。このペースではプレートの恩恵も感じにくいが、同じ足の運びでもタイムが伸びている。
- マジックスピード4:足への負担は感じられないクッション性。スピード目的のシューズなのでロングジョグにはもったいないかも。
リカバリー、ロングジョグ目的ならブラストシリーズをおすすめ。 - ターサーRP3:軽快に走れるがクッション性が他のモデルと比較すると感じないので、足にダイレクトに設置感が伝わってくる。疲労回復を目的にしたジョグには不向きかなという感じ。
5:15–4:45/km(E〜Mペース寄り)
- マジックスピード4:このあたりからプレートの恩恵を感じられる。フォームと着地を意識すると一歩が楽に進める感じ。テンポ走や10kmTTでのペース維持が楽。
- ソニックブラスト:ノヴァブラストより少し重いが、プレートの反発でテンポ入り口にちょうど良い。プレートの反発でペース移行がスムーズ。
- ノヴァブラスト5:クッションがあって楽に走れるが、スピードを維持するには自分の足で進む必要を感じる。
- ターサーRP3:ピッチを上げやすく軽快。脚作りが進んでいれば自分で前へ進む感じを得られて刺激入れに有効。
〜4:30/km(閾値付近〜10km)
- マジックスピード4:スピードを意識した走りの時は足が進む。閾値走や20kmに好相性。最後のペースを上げには、プレートのおかげでタイムが伸びる。
- ターサーRP3:路面のダイレクト感と食いつくグリップで加速が速い。自分で走る、走りのキレを出すポイント練や10km走での足作りに最適。
- ソニックブラスト:ビルドアップ終盤の伸びもいい感じ。長く攻めてみても疲労が残りにくく感じる。ブラストシリーズのクッション性のおかげかも。
- ノヴァブラスト5:反発は得られるがバウンスが大きく、鋭いペース維持には自分の足が必要だと感じる。
耐久性とメンテ
ノヴァブラスト:
厚めのクッションを備えており、ジョグやリカバリなど使用頻度が高くなるため、アウトソールの摩耗はやや早めに考えられますが、使用開始から900km以上でもこの程度です。ジョグ主体で使用してローテーション運用(2〜3足回し)すればさらに寿命を引き伸ばせると思います。

マジックスピード4:
テンポ走〜レースでの使用を想定しているモデル。週1〜2回のスピード練習なら摩耗は現実的な範囲に収まることが多いと思います。実際にフル3回とスピード練に使用してきて800km超えになったマジックスピード3では、かなりの摩耗が見られます。

ソニックブラスト:
軽量×反発を利用して30kmのテンポ走やLSD翌日のリカバリとインターバル走の時に使用。まだ使用開始から間もないので耐久性については未知数です。ジョグの後の少し刺激を入れたいWSの時にも使用しています。

ターサー:
グリップの食い付きと軽快さが魅力です。スピード練・10km前後のTTに使用しています。直接地面を蹴る感じが伝わってきて蹴っている感覚が味わえます。ただし、着地の衝撃がもろに伝わってくるので、膝や腰、股関節には負担をかけていると思います。

基本メンテ共通
- 走行後は中敷きを外して陰干し(直射日光・乾燥機NG)。
- 泥汚れは柔らかいブラシ+ぬるま湯で落とし、シューシャンプーを使用、すすぎはしっかり、色落ちに注意。乾かす時は陰干しで。
- 収納は風通しの良い室内、高温多湿・車内放置は避ける。
- 100〜150kmごとにアウトソールの状態を確認。走る頻度によって距離が変わってくるので、期間より距離がおすすめ。ソールの減り方でフォームの確認にもなります。
価格・コスパ
- ノヴァブラスト:
デイリー&ロングジョグの主力。価格は中価格帯で、消化量に対する“疲労軽減メリット”が大きく費用対効果は高め。アウトソールも強くて減りが遅い。 - ソニックブラスト:
軽量×反発のバランス型。価格はノヴァブラスト・マジックスピード4・ターサーRP3よりも高い。カーボンに入る前の利用に適していると思う。テンポ“入口”〜デイリーの兼用ができれば一足二役でコスパ良好。 - マジックスピード4:
テンポ〜準レースの柱。価格は中〜やや高め(2025.11月現在マジックスピード5の発表により価格帯がお手頃になっています)。カーボンプレートの入口に推奨されていますので、初めてカーボンプレート搭載のシューズを試すときには◯。カーボンの反発を利用して走る脚を作るときや、そのままレースにも使用できるため、実戦寄りの価値が高い。私が最初にサブ4達成した時はマジックスピードシリーズでした。 - ターサー:
軽量スピード特化。価格は今回紹介しているシューズの中でも一番お手頃な価格帯。使用シーンをポイント練・10km前後のランニングで脚力強化を求める際に適していると思います。ただし、クッション性がないので使用し始めの無理は禁物。
価格はサイズ・カラーで変動します。公式/大型EC/量販セールを横断比較し、ポイントやクーポンを加味すると実質購入価格が下がります。
よくある質問(FAQ)
Q1:初心者でもプレート入り(MS4)を使ってOK?
A:テンポ走の意図が明確なら良いかなと思います。「脚作りが追いついていない」と感じるなら、まずはクッション性が高い、ゲルカヤノやノヴァブラストをおすすめします。私は最初のフルマラソンはゲルカヤノ、その次はグライドライド、3回目でマジックスピードを利用しました。
Q2:サイズは普段と同じで良い?
A:基本は普段のASICSサイズからで大丈夫と感じています。私は普段から26.5cmのシューズを使用していますが違和感を感じたことはありません。 時間帯によっては、足のむくみなどで窮屈に感じることがあるかもしれませんが、私が今まで使用してきてそのような体験はありません。ただし、慎重な方、ちょっとでも不安のある方、他のメーカーからの乗り換える方は必ず試着をしましょう。
チェックリスト(サイズ選び)
- 練習の時間や夕方の足がむくんだ時間帯で試着したほうが良いとされています
- いつものランニング用のソックス厚で確認する
- つま先余り5〜10mmを確保する
(走るときにどうしても靴の中で足が前後するため) - 甲/踵のホールドに窮屈な感じがしない
- 左右差を感じるときは“大きい方の足”に合わせたほうが良い
表:用途別おすすめ(初心者〜中級者)
| 目的/距離 | ジョグ | テンポ走 | 10km | ハーフ | フル |
| 初心者(完走) | ノヴァブラスト(安定&クッション)/ソニックブラスト | ソニックブラスト(入り口に最適)/ノヴァブラスト | マジックスピード4(優しめのレース寄り)/ターサー(要脚力) | ソニックブラスト/ノヴァブラスト | ノヴァブラスト/ソニックブラスト |
| 中級(サブ4〜3.5) | ノヴァブラスト | マジックスピード4/ソニックブラスト | ターサー/マジックスピード4 | マジックスピード4 | マジックスピード4/ソニックブラスト |
メモ
- ノヴァブラスト:日々の距離稼ぎ・疲労軽減の軸。
- ソニックブラスト:軽量×反発でテンポ“入口”にちょうど良い。
- マジックスピード4:テンポ〜レースの主力。ハーフ〜フルまで守備範囲。
- ターサー:軽量・ダイレクト。10km前後やポイント練で強み(衝撃耐性要)。
まとめ
ランニングシューズは、「今の走力」「これからの練習」「身体のクセ」に合わせて選ぶのがいちばんです。
日々のジョグで距離を積みたいなら、ノヴァブラストの穏やかなクッションが脚を守り、翌日に疲れを残しにくくしてくれます。フォームが揺らぎやすい日やロング走の安心感を求める場面でも、ノヴァブラストの安定したバウンスは頼りになります。
テンポ走やビルドアップの頻度が高いなら、マジックスピード4の“抜ける推進”が武器。プレートの反発を利用してスピード練習、本番を意識した練習で練習効率が上がります。サブ4を達成してサブ3.5を目標にするならおすすめの一足。
ジョグからのWSやビルドアップのラストで一段上げたい時は、ソニックブラストの軽快さと即効性が活きます。長時間の高強度を受け止め続けるタイプでもいけますし、短い刺激でキレを出す用途にも向いていると思います。
5km〜10kmで“鋭さ”を求めるなら、ターサーのダイレクト感が相棒になります。食い付くようなグリップと軽さでリズムに乗りやすく、ポイント練や10kmTTで自らの足で攻める走りを思い出させてくれるはずです。
サイズ選びは、つま先5〜10mmの余裕と夕方試着、いつものソックス厚の再現が基本。
返品前提の多サイズ取り寄せではなく、店舗で丁寧に試す→ECでポイント活用が実務的です。ペース帯は自分の実力に合わせて6:00〜4:30/kmを起点に無理をしないこと。走力が上がるほど、シューズの良さは段階的に引き出せます。
まずはノヴァブラストで練習の型を作り、テンポ〜準レース用にマジックスピード4、短時間の刺激や仕上げにソニックブラスト、キレ重視の日や10km前後の勝負にターサー。そんな役割分担が現実的です。今日の1足が明日の自分を作ります。
気持ちよく走り切れた日が増えるほど、走ることはもっと楽しくなるはず。あなたの“次の一歩”に、この4足が力になりますように。




