大分県別府市は、日本でも有数の温泉地として知られています。その豊富な温泉の数と温泉文化は、国内外から多くの観光客を魅了してくれます。今回は、この魅力的な街にある「灯りの宿 燈月」に実際に宿泊し「大分和牛」を堪能、近くにある「鉄輪むし湯」で薬草薫る蒸し風呂で癒されてきました。それぞれ異なる魅力を持ちながら、温泉と大分和牛を楽しませてくれました。
灯りの宿 燈月
寛ぎの空間とおいしい「おおいた和牛」を堪能
絶品の大分和牛を心ゆくまで楽しむ
燈月の食事は、多くの宿泊客から高評価をつけられていましたのでとても楽しみにしていました。その期待を裏切ることなくとても満足させてくれました。経営しているグループが精肉店からのスタートということもあり間違いがない選択でした。特にお宿側が全面に押し出している「おおいた和牛」は、ステーキが食べ放題ということで多くのお客様がリピート注文していました。
おおいた和牛は、品質の高い豊後牛の中でも、特に厳選された4等級以上のもののみが使用されています。牛肉といえばA5等級と思われるかもしれませんが、等級は味の評価をしたということではなく主に見た目、肉質を評価したものであり、必ずしもA5がA4より美味しいというわけではないそうです。もちろん、味や肉質に関しては個人の好みによって異なりますが、A5はより濃厚で口溶けが良い一方、A4は程よい霜降りと赤身のバランスがあり、肉本来の味わいを楽しめるとされているそうです。
こういった観点からみると、やはりお肉の知識があるグループが経営されているので安心してお肉を楽しむことができます。
夕食は二部制で、席も指定されているので席の空き状況を気にせず時間になれば会場に行きゆっくり食事をすることができます。まず最初に席を案内されたあと、1皿目のステーキをホテルの方に注文して、その後はビュッフェ形式で、好きなだけ料理を楽しめます。おおいた和牛の他にも、鶏天も用意されており、ほかにも季節の食材を使った多彩な料理が用意されています。和・洋・中と幅広いジャンルの料理が揃っていて、目で見ても楽しめる彩り豊かな料理の数々は、本当においしく頂けました。
ドリンクの種類も豊富で、なかでもビールは「アサヒのマルエフ」が飲み放題のなかで提供されているのにはびっくりしました。ほかにもワイン、日本酒、焼酎などもあるのでアルコール好きの方も満足できると思います。
朝食も充実しています。和食派の方には、炊きたての白米や焼き魚、味噌汁などの和食メニューに加え、「りゅうきゅう」という郷土料理もあり、夕食にも提供されていましたが、私は朝食でお茶漬けとしていただきました。洋食派の方には、パンはもちろん、その場で作っていただけるオムレツがあり、チーズやベーコン、トリュフなどの具材が用意されています。そのほか、大分和牛を使ったカレーや牛丼もあり贅沢な朝食となりました。
夕食時も朝食時もスイーツやフルーツ、ソフトクリームなども用意されて、お腹を満たした後の時間もゆっくりと楽しめるようになっています。
源泉100%掛け流しの温泉
燈月では、源泉100%掛け流しの天然温泉を楽しむことができます。別府の豊富な温泉資源を存分に味わうことができ、質の高い温泉体験を提供しています。
大浴場は、朝と夕方で男性、女性のお風呂が入れ替わります。それぞれに露天風呂とサウナがあり、ゆったりと温泉も楽しめ、サウナでととのうこともできます。露天風呂は広さが異なりますが、朝と夕方で入れ替わるので両方とも楽しむことが出来ます。また、今回は利用しませんでしたが、家族風呂も用意されているので、お子様連れの方でもゆっくりと温泉を楽しむことが出来ます。家族風呂は有料にはなりますが、家族でゆっくりと温泉につかりたい方にもおすすめです。
鉄輪温泉は古くから湯治湯として利用されてきたらしく、お宿の温泉の効能は、泉質は硫黄泉、弱アルカリ性でアトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症などに効果があると表記されています。
別府市街を見渡せるパノラマビュー
燈月のお部屋からは、別府の市街地を見渡すことが出来ます。別府の街を見下ろす絶景のパノラマビューは、朝は朝焼け、夜は別府市街の夜景を見ることができます。湯けむりが漂う街並みと別府湾の景色は、日常の喧騒を忘れさせてくれる特別な時間となるはずでしたが、今回は残念ながらお天気が恵まれず、夜景はすこ~し楽しめましたが、朝やけはお預けになってしまいました。
朝日が昇る瞬間や街に朝もやがかかる様子、夕暮れ時に街に灯りがともる瞬間、そして夜景と、その時の時間で変化する別府の景色を楽しんでみたかったです・・・。
快適な客室
今回私たちは、308号室のスタンダードツインルームに宿泊しました。客室は落ち着いた雰囲気で、きれいにまとめられたという感じを受けました。ベットはシモンズ社製のベッドを使用しており、私的には寝心地抜群という感じだったので朝までぐっすりと眠ることが出来ました。写真
客室のインテリアは、和モダンをベースにしたデザインで統一されています。落ち着いた色調と、木材を中心とした自然素材の使用により、温かみのある空間が演出されています。
窓際には小さなテーブルが配置されており、ここから別府の街並みを眺めながら朝のコーヒーや夜の一杯を楽しみつつ旅での思い出話に花を咲かすことができます。
さらに、客室には無料Wi-Fiが完備されているため、旅行中でもインターネットに接続できます。ビジネス利用の方にも便利な設備となっています。
心のこもったおもてなし
燈月のスタッフの対応も丁寧で気配りの行き届いたサービスで、心地よい時間を提供していただいてお宿での時間も快適に過ごすことが出来ました。
チェックイン時には、笑顔で温かく迎えてくれるスタッフに宿の施設や周辺の観光情報などを丁寧に説明していただき、今回の旅のもう一つの目的である「鉄輪蒸し湯」にも行きたかったので、そこまでの所要時間やルートに関して教えていただきました。
別府の鉄輪温泉地域ではあるあるなのかもしれませんが、灯月からの徒歩圏内に「べっぷ地獄めぐり」や「鉄輪むし湯」などの観光スポットがあり、地獄めぐり観光の拠点としても最適だと感じました。
鉄輪むし湯
別府の「むし湯」を体験
歴史ある公衆浴場
鉄輪むし湯は、1276年に時宗の開祖・一遍上人によって創設されたと伝えられる由緒正しい施設で、多くの利用客の方がいらっしゃり、私(男性)は待つことなく入浴できましたが、女性のほうは混雑していたらしく15分ほど待たされて入浴していました。
建物は2006年にリニューアルされて建てられたもので、レトロな外観は懐かしさを感じさせ、石室から上がる湯気が湯治場的な雰囲気も醸し出していました。
施設情報
鉄輪むし湯の基本情報は以下の通りです:
– 営業時間:6:30〜20:00(最終受付19:30)
– 定休日:毎月第4木曜日(祝日の場合は翌日)
– 料金:700円(中学生以上)、レンタル浴衣220円
– 所在地:大分県別府市鉄輪上1組
公式HP:https://www.city.beppu.oita.jp/sisetu/shieionsen/detail11.html
駐車場
駐車場は近くの公共駐車場に止めることが出来ます。
鉄輪むし湯を利用すると2時間まで無料で駐車することができますが、一番近い公共駐車場「市営 熱の湯前駐車場」はGoogleナビで案内されると少し狭い道を通っていくことになりますので、運転に自信のない方は少し離れますが「みゆき屋」のところにあるもう一つの公共駐車場「鉄輪温泉地区駐車場」を利用されることをお勧めします。どちらの駐車場も鉄輪むし湯のお客様はどちらも2時間無料ということでしたので私たちは、温泉につかった後に周辺を散策してみました。
独特の入浴スタイル
鉄輪むし湯は、「湯」と書いてありますがサウナに似た感じで、蒸された後に温泉につかるという独特の入浴スタイルでした。約8畳ほどの石室内に入ると、温泉の蒸気で熱せられた床の上に石菖(せきしょう)という薬草が敷き詰められており、利用者はこの薬草の上に横たわり、温泉の蒸気と石菖の香りに包まれながら汗を流します。この香りが妙に心地よく感じられ最長でも10分という時間が短く感じられ名残惜しくもありました。
この入浴方法は、日本の他の地域ではあまり見られない独特のものではないかなと思います。温泉の蒸気と、蒸気で蒸された薬草の香りを浴びることで、通常の入浴よりも効果的に体を温められる感じがしますし、蒸気と一緒に石菖の成分も体内に取り込まれる感じがして、普段の温泉?サウナ?より心身ともにリフレッシュすることができました。
石菖は清流沿いの岩場に群生する薬草らしく、その芳香は非常に特徴的で、「豊後鉄輪、むし湯の帰り、肌に石菖の香が残る」と詩人の野口雨情に詠まれているそうです。
入浴の方法
鉄輪むし湯での入浴は、以下のような流れで行ってきました。受付でも口頭で説明されます。
1. まず浴室で体を洗います。これは、むし湯に入る前に体を清潔にするためです。
2. 浴衣を着て石室へ入ります。浴衣は施設で借りられるものを使用しました。
(持参したTシャツ、短パンでもいいみたいですが今回は浴衣を有料ですがお借りました。)
3. 石室内の石菖が敷かれた床に横たわります。この時、頭を置く石が置いてあるので、その石の上にタオルを敷いて枕代わりにします。
4. 8分経過すると声がかかり、さらに2分延長するか選べます。私が入っているときは皆さん最長の10分入られていましたが、御年配の方が来られた時は係りの方が5分でお声をかけしていらっしゃいました。
5. 最長10分で終了し、再び浴室で汗を流し温泉につかります。
一度に石室に入れるのは4人までらしく、私(男性)はすぐに入れましたが、パートナーは10分ほど待ってからの入室となりました(この点でも人気のほどがうかがえます)。ただし、高温多湿の環境なので、体調や石室での滞在時間には十分注意が必要だと思います。
施設内には休憩スペースが設けられており、むし湯の利用前後もゆっくりと過ごすことができます。その他にも鉄輪むし湯には、館内のむし湯以外にも、外に 無料の「足蒸し」が設置されており、観光で疲れた足を癒すのに最適です。
周辺の観光スポット
鉄輪むし湯の周辺には、徒歩圏内に地獄蒸し工房鉄輪や、車での移動となりますが血の池地獄など、別府を代表する観光スポットが多数あります。むし湯と合わせて訪れることで、より充実した別府観光を楽しむことができます。
これら二つの施設を組み合わせることで、別府の温泉文化を多角的に楽しむことができます。例えば、以下のようなプランを組むことができると思います。
1. 燈月にチェックインし、部屋から別府の湯けむりの景色を楽しむ。
2. 燈月の大浴場で、ゆったりと温泉に浸かる。
3. 夕食は燈月の豪華なビュッフェを堪能。
4. 翌朝、早起きして鉄輪むし湯を訪れる。
5. むし湯で別府の伝統的な入浴を体験。
6. 燈月に戻り、朝食を楽しむ。
このように、現代的な快適さと伝統的な体験を組み合わせることで、別府の魅力をより深く、多面的に感じることができると思います。
別府観光のさらなる魅力
燈月と鉄輪むし湯以外にも、別府には多くの魅力的なスポットがあります。これらの施設を拠点に、さらに別府の魅力を探索してみるのもおすすめです。
1. 別府地獄めぐり:別府を代表する観光スポットで、様々な色や形の温泉を見学できます。特に有名なのは、血の池地獄、海地獄、白池地獄などです。
2. 別府ロープウェイ:鶴見岳山頂まで約10分で到達できるロープウェイです。山頂からは別府市街や別府湾を一望できます。
3. 高崎山自然動物園とうみたまご:野生のニホンザルが生息する自然公園で、サルの生態を間近で観察できます。また、隣接されている水族館「うみたまご」でエサやり体験や、セイウチやイルカのショーを楽しむことが出来ます。
これらのスポットを訪れることで、温泉だけでなく、別府の自然、文化、歴史なども楽しむことができます。
まとめ
別府は、その豊富な温泉資源と独特の温泉文化で知られる日本有数の温泉地です。今回ご紹介した「灯りの宿 燈月」と「鉄輪むし湯」は、それぞれ異なる魅力を持ちながら、別府の温泉文化を体験できる素晴らしい施設でした。
燈月では、「おおいた和牛」を心ゆくまで堪能でき快適な時間を提供してくれ、心身ともにリラックスさせてくれました。
一方、鉄輪むし湯では、独特な入浴方法の温泉文化を体験することができ、石菖の香りは鉄輪むし湯ならではの体験をすることができました。。
これらの施設をセットで利用することで、別府の温泉文化をより深く、多面的に楽しむことができ、現代的な快適さと伝統的な体験の両方を味わえたことは、今回の別府観光をとても楽しい旅行にしてくれました。
さらに、別府には他にも多くの魅力的なスポットがあります。温泉以外にも、自然、文化、歴史など、様々な側面から別府の魅力を探索することができます。
別府を訪れる際は、ぜひ「燈月」と「鉄輪むし湯」を中心に、様々な体験を組み合わせてみてください。きっと、忘れられない思い出と、別府の深い魅力を発見することができるはずです。温泉に浸かりながら、別府の街並みを眺め、その歴史と文化に触れる。そんな贅沢な時間が、あなたを待っています。
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