マラソン初挑戦の方や陸上未経験者の方に向けて、マラソンの魅力と始め方について、陸上未経験だった私が実際に経験してきた内容も含めてお伝えしたいと思います。マラソンに挑戦してみたいけど、「運動経験がない」「走るのが苦手」といった理由で一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか?
誰でも最初は初心者であり、未経験です。もちろん私もそうでした。マラソンは健康的で達成感のある素晴らしいスポーツだと思います。
この記事では、初心者や陸上未経験者でもマラソンを楽しめるように、必要なアイテムや練習方法、大会準備まで、ゼロからスタートするあなたを応援します!さあ、一緒に走り出しましょう!
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マラソンの魅力と目標設定
マラソンの魅力は、自分自身との戦いで体力的にも精神的にも自分自身の成長を実感できることです。単なる運動ではなく走ることで得られる達成感や健康効果はもちろん、心身ともにリフレッシュでき、ストレス解消や体力向上にも効果的です。
今からランニングを始められる方におすすめなのは、まず「5km完走」を目標にすることです。短い距離から始めて徐々にステップアップすることで、無理なく自信をつけられます。まずは無理のない目標を立てましょう。
例えば
– 1ヶ月後:5km完走
– 3ヶ月後:10km完走
– 6ヶ月後:ハーフマラソン完走
– 1年後:フルマラソン完走
目標を段階的に設定することで、着実に成長を感じられます。私は、走り始めた時にいきなり10km走ってしまい、すぐに挫折しかけました。「千里の道も一歩から」というように、短い距離から少しずつ距離を伸ばしていく事をおすすめします。
また、マラソンでは完走やタイムを目標に走るだけではなく、エイドとよばれる補給食を楽しむ事もできます。大会ボランティアの方や協賛企業が、その地域の特産品や自社商品をランナーの為にコースの数カ所で栄養補給のために準備してくれています。補給食を楽しみながら完走を目指すという楽しみ方もあります。
必要な準備:アイテム紹介
マラソンは基本的にシューズとウェアがあれば始められます。特別に必要な道具などはありません。ただし、初心者が快適に走るためには、適切なアイテム選びが重要です。以下のポイントを押さえて準備しましょう。
ランニングシューズ
適切なシューズは怪我の予防と快適な走りに不可欠です。初心者の時は、特にクッション性と安定性に優れたシューズがおすすめです。足に合わないシューズはケガの原因になるため、足型に合わせて選ぶことが重要です。ネット購入を考えていても専門店での試し履きは必須だと思います。また、完走、サブ4(4時間切り)、サブ3(3時間切り)など目標に合わせたシューズをいろいろなメーカーが販売しているので、それを参考にして選ぶと良いと思います。
ウェアとアクセサリー
季節に応じたウェア選びも重要です。特に夏と冬は機能も重視して選びましょう。
– 夏:通気性や吸汗速乾素材のTシャツとハーフパンツ
– 冬:防寒性と通気性を兼ね備えたジャケットとタイツ
その他の便利なアクセサリー
ランニングウォッチ
タイムやペース管理、ランニング実績の管理でモチベーションの維持
ランニングポーチ
ドリンクやスマホ、鍵を収納します。特に夏場は水分補給は必須ですのであると便利です。
アームバンド
ランニング中に携帯するものがスマートフォンのみの方は、腕に巻くタイプのものもあります。
イヤホン
走りながら音楽も楽しむことが出来ますし、「耳学」もでき快適に走ることが出来ます。
ただ、大会によってはイヤホンの使用が禁止されている場合があるので注意しましょう。
エネルギージェルや塩分タブレット
長距離走に備えて途中での栄養補給や、夏場の発汗による塩分補給に用意しておくと安心です。
練習方法:段階的アプローチ
日頃運動していない人がいきなり長距離を走るのは怪我につながります。段階的に負荷をかけていき体力をつけていきましょう。
ウォーキングからスタート
これまで運動習慣がなかった方や体力に自信がない方は、まずは30分のウォーキングから始めることをお勧めします。徐々に時間と距離を延ばし、体を慣らしていきます。
基礎体力づくり
ウォーキングをこなして、ある程度体力がついてきたらジョギング(無理ないペースで)と筋トレを組み合わせて基礎体力を養います:
– ジョギング:週2-3回、20-30分から始める
– 筋トレ:腹筋、背筋、スクワットなどを取り入れる
季節ごとの練習法
季節によってトレーニング環境は変化します。お住まいの地域が積雪が多い地域なら走れる時間や場所も限られてくると思いますので、それぞれの季節に合わせた工夫が必要です。出場する大会も、練習可能な時季によって練習内容も変わってきますのでマラソンの結果が変わってきます。ちなみに、私は九州在住です。積雪の影響をあまり受ける地域ではありませんので、下記のように1年を通して練習期間や大会選びを計画しています。
春:
人によっては花粉症対策は必要です。快適な時期でもあるので楽しんで練習できると思います。しかし、マラソンシーズンは終盤です。練習をこの時期に開始するのではなく、各所で多くの大会が開かれていますので、出場する大会をこの時期に設定すると良いと思います。私も実際この時期の大会に出場しています。
夏:
熱中症に注意し、早朝や夕方の涼しい時間帯を選びましょう。長距離の練習が困難になってきますが、ランナーの中の強者はこの時期でもしっかり走っている方もいらっしゃいます。しかし初心者の方が練習するには過酷な環境だと思います。ジムなどでマシンを使うという選択肢もあります。決して無理して日中の時間帯に無理して走らないようにしましょう。
秋:
春と並んで快適な気候を活かし練習が出来ます。ただし残暑には注意が必要です。個人的には練習を始めるには最適な時期だと思っています。秋から練習を始めて春の大会にでるのが準備期間も確保でき無理なく練習が出来ると思います。
冬:
防寒対策をしっかりと行います。この時期は寒さとの戦いで、寒さに負けて練習をサボりがちになるかもしれませんが、そこは自分で乗り越えていきましょう。あと、練習前のストレッチは欠かさずに行い、怪我による練習が出来ない期間がないようにすることが重要です。また積雪が多い地域の方は、室内トレーニングを取り入れることも選択肢の一つです。
練習におすすめなコースや場所
ランニングをするルートを選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると快適に走れると思います。
安全性
車通りが少なく、歩行者専用の道がある場所。
景色の良さ:公園や川沿いなど、自然を感じられるルートはモチベーションアップにつながります。
距離表示
1kmごとに距離が表示されているランニングコースは初心者にも便利です。
家の近くや、車で移動できる距離に以下のような場所があればお勧めします。信号や曲がり角で立ち止まる必要もないですし、交差点での事故などの危険性も減ります。安全で快適にランニングに集中することが出来ます。ただし、歩いている方や、小さいお子様もいるので、周囲への気配りを忘れないようにしましょう。
公園内のジョギングコース:
フラットで初心者にも走りやすいですし、公園によっては道がクッション性がある舗装になっている場合があるので足腰への負担が軽減されます。他のランナーさんもいてモチベーションアップにつながります。しかし、人と比較するのはやめたほうが良いと思います。あくまでも比較するのは過去の自分だけで十分です。
河川敷:
長距離練習に最適で、景色も楽しめます。ある程度の規模の大きい河川にはランニングコースが整備されているところもありますので快適に走ることが出来ます。
トラック(陸上競技場):
ランニングサークルや陸上選手が練習をしています。本格的に陸上に取り組んでいる方が利用しているイメージがあります。一定のペースで走る練習に向いています。
私は、近くの公園のジョギングコースや、走って3kmくらいのところにそこまで大きくないダム(1周3km)があるのでそこまで走って行って周回しています。その途中が上りの道になっているので、良い感じで負荷をかけられるので、もし近くにそういうところがあるのなら、走ってみるのもおすすめです。
モチベーション維持のコツ
まずは「継続は力なり」です。少しでも長く練習を続けることで、マラソンを完走できる確率が大幅にアップします。あきらめないことが大切なのです。そのために役立つことをお伝えします。
練習日記をつける
走行距離、タイム、体調などを記録することで、成長を実感できます。これには、ランニングウォッチがおすすめです。私は「Garmin」のランニングウォッチを使用しています。こちらは専用アプリと連携して、走った距離や1kmあたりの平均ペースや心拍数など様々なデータが取得でき、それを記録しています。
仲間と一緒に練習する
ランニングクラブに参加したり、友人と一緒に走ったりすることで、楽しく継続できます。マラソンは個人競技ですが、練習を一人で継続することが難しい方は、仲間を作って走るのも選択肢の一つです。
小さな成功体験を積み重ねる
5km完走、10km完走など、小さな目標をクリアしていくことで自信がつきます。いきなり長い距離を目標にするのではなく、少しずつ距離を伸ばすことで、過去の自分より成長していることを実感しやすくなります。
目標の可視化
達成したい目標を紙に書いて見える場所に貼る。常に目標が見える位置に置くことで、抽象的な目標が具体的な形として視覚的に捉えられることで、達成すべきゴールがより明確になります。
新しいコースの開拓
同じコースばかりでなく、新しいルートを試してみることで、マンネリ化を防ぐことができますし、新しい風景や地形を楽しむことでランニングへの意欲が高まります。また、平坦な道だけではなく坂道や階段があるコースを選ぶと、異なる筋肉を使うため体全体の筋力バランスが向上するメリットもあります。
大会準備と心構え
初心者向け大会選び
いきなりフルマラソンは不安だなと思われる方は短い距離から始めることも選択肢に入れてもいいかもしれません。「ファンラン」という5kmや10kmなどの短いコースも設定されている大会もありますので、大会の雰囲気を経験し、完走して自信をつけて、10kmからハーフマラソン、そしてフルマラソンとステップアップしていくこともできます。
制限時間に余裕のある大会を選ぶ
できるだけ制限時間が長い大会を選びましょう。これにより、精神的な余裕を持って走ることができ、完走の可能性が高まります。筆者が走っている福岡マラソンは7時間、佐賀さくらマラソンは6時間30分と設定されています。御自身が出場してみたい大会があれば申し込む前に確認してみると良いと思います。
コースが平坦な大会から始める
高低差が少ないコースの大会は足への負担が軽減されます。起伏があるコースになると足に負担がかかってしまい、後半に足が攣ったりします。これは筆者も経験済みで、前半は平坦だったので良いペースで体が軽かったのですが、後半の起伏で内転筋が痙攣をおこし始めて残りの4kmを走ったり歩いたりしながら何とかゴールしました。
大会前の過ごし方
1週間前
徐々に練習量を落としていきましょう。もちろん完全休養日を取り入れるのも必要です。不安で走りたくなるかもしれませんが、疲労を蓄積したままで大会に挑んでしまっては途中で棄権などの残念な結果になってしまうかもしれませんので、自分を信じて休養日を取り入れましょう。例としては
練習スケジュール
- 月曜日:軽いジョギング(30~40分)
- ゆっくりとしたペースで心拍数を抑える
- 筋肉をほぐし、疲労回復を促す
- 火曜日:完全休養日
- 軽いストレッチやウォーキングで血行を促進
- 水曜日:ペース走(20~30分)
- フルマラソンの目標ペースで走る
- アップとクールダウンを十分に行う
- 木曜日:軽いジョギング(30分)
- リラックスしたペースで走る
- ストレッチやヨガを取り入れる
- 金曜日:完全休養日
- 十分な睡眠を取る
- リラックス法(深呼吸、瞑想など)を実践
- 土曜日:軽いジョギング(20分)
- 非常にゆっくりとしたペースで体を動かす
- レースウェアを着用してシミュレーション
カーボローディング
カーボローディングとは、炭水化物を多めに摂取し、エネルギーを蓄えることです。3日前から意識して白米や、パスタなどを摂取していきましょう。マラソンなどの長時間のスポーツはエネルギーがとても多く必要になってきます。そのエネルギー源となる炭水化物を多めにとって後半の燃料切れに備えます。
ウォーターローディング
ウォーターローディングとは、長時間行うスポーツの前に意識的に水分を摂取し、体内に水分を蓄えることで、競技中の脱水症状を防ぎ、パフォーマンスを向上させる方法です。この手法は、特に長時間の運動が伴うマラソンでは必要になってきます。ただし、各個人の体質や体格によって必要な水分量は異なるため、自身に合った量を見極めることが大切です。また気温や湿度など季節によっても変わってくるので、水分の過剰摂取にならないように、その時々に合わせた量を見つけましょう。
十分な睡眠をとる
初めての大会は、いろいろなことを考えてしまうかもしれませんが、今までの練習を信じてゆっくりと睡眠時間を確保しましょう。私自身、初めての大会の時は、なかなか寝付けず睡眠時間3時間で出場してしまいました。「子供の頃の遠足」と同じ感じで気持ちが高ぶってしまうと思いますが、少しでも長く睡眠時間を確保できるようにしたいところです。
大会当日の準備
スタート4時間前には起床し、体を目覚めさせます。そのあと、消化の良い朝食(おにぎりやバナナなど)を摂ります。そのほか、お餅もおすすめです。私自身は、お餅2個とバナナ1本を異色な組み合わせではありますが朝食として食べていきます。コーヒーなどのカフェインが含まれる飲み物は利尿作用があり、レース中にトイレに行きたくなってしまうため避けたほうが良いです。
スタート30分前までにトイレやウォームアップを済ませます。スタート前はトイレが非常に込み合います。おそらく想像以上です。指定された時間にはスタートブロックに入らないといけませんので、余裕をもってトイレを済ませることがメンタル的にもプラスに働きます。
スタートブロックに入ったら緊張感は楽しみに変え、「自分のペースで完走する」ことを目標にしましょう。走り終えた後の自分をイメージしてリラックスしてスタートしましょう。
これらの準備で体調・精神面ともに万全な状態で大会当日を迎えることができます。焦らず、自信を持ってスタートしてください。
レース中
レース中はペース配分を考え自分が設定したペースで走ることを心掛けます。当日はアドレナリンが出て体の調子が良いように感じられることもありますが、序盤に足を使ってしまうと後半が非常につらくなります。序盤は抑えめに入ることをおすすめします。あくまで目指すのは完走です。自分をコントロールしてゴールできるように落ち着いたレース運びを心掛けます。
給水所ではこまめに給水をとりましょう。体質にもよりますが、発汗しやすい方は特に意識して給水することをおすすめします。スポーツドリンクも用意されているので水分と塩分補給も行います。あと、エネルギージェルなどを持参して途中で栄養補給をすることもおすすめです。
マラソン完走後のケア
マラソン完走後は体への負担が大きいため、適切なケアを行いましょう。
クールダウン
ゴール後すぐに座り込まず、軽く歩いて心拍数を徐々に落ち着かせましょう。その後ストレッチを行うことで筋肉痛を軽減できます。
栄養補給
完走後30分以内に炭水化物とタンパク質を摂取すると、疲労回復が早まります。例えば、バナナやおにぎり、プロテインドリンクがおすすめです。
休養
大会後は1週間程度、ジョギングなど軽い運動だけに留めて体を休ませましょう。無理してランニングを再開すると怪我につながります。可能であれば翌日は、お仕事をお休みするということも考えても良いと思います。私自身は、必ずお休みをとるようにしています。
次なる目標設定
初めてマラソンを完走したら、その達成感から次への挑戦意欲が湧いてくると思います。私自身も初マラソン完走後すぐに「次はサブ4(4時間切り)だ!!」という目標を掲げて練習を再開しました。完走することが出来たら、次の目標は、タイムになってくると思います。次の目標として以下のように設定することがおすすめです。
– タイム短縮(例:5km30分以内)
– 距離延長(例:ハーフマラソン→フルマラソン)
– 新しい大会への参加(旅行気分で遠方の大会も楽しいです)
目標達成ごとに達成感が得られ、自信も深まります。
まとめ
マラソンやランニングは体力向上だけでなく、精神的な成長も促します。以下は私自身が感じたメリットです。
健康維持
定期的な運動で心肺機能が向上し、体重管理にも効果的です。私自身は、体型維持を目標にランニングを始めて、体重もスタイルも維持できています。また、体調を崩すことがほとんどなくなり、病院にかかることも少なくなりました。これによって、プライベートの時間を充実させることが出来ています。
ストレス解消
ランニングをしていると物事をポジティブに考えられるようになりました。スタート前のネガティブな感情があっても、走っている間の思考や発想がポジティブな部分が多いので、生み出された解決策も前向きなものが多くなります。走り終えた時には前向きな気持ちで物事に取り組めるようになり、ストレスが解消されるのを実感しています。
自己成長
目標達成感や自己管理能力が向上し、自分自身に自信が持てるようになりました。なかでもメンタル的に強くなったと思います。完走による成功体験が、「挑戦する心」と「諦めない心」を養ってくれました。マラソンやランニングは、自分自身との戦いなので「諦めること」、「継続すること」を決めるのは自分です。「もうひと踏ん張り」と思えるようになりましたし、「これ以上は怪我や故障につながる」と思ったときは、「やめる決心」もできるようになりました。
マラソンは、挑戦すること自体に大きな価値があります。完走できなくても、その過程で得られる経験や成長は必ず自分の糧となります。
継続して走ることで、健康的な体と強い精神力を手に入れることができます。一歩一歩、自分のペースで前進していきましょう。
マラソンは、自分自身との戦いでもあります。一歩ずつ進むことで得られる達成感は何にも代えがたいものです。「自分には無理かも…」と思っている方も、この記事を参考にぜひ挑戦してみてください!あなたの新しい一歩が素晴らしい未来につながりますように。あなたもマラソンの世界に飛び込んでみませんか?新しい自分との出会いが、きっとあなたを待っていると思います。